スクールカーストについて思いを馳せる 『ソロモンの偽証 前篇・事件』

 中学生の頃いじめられていた私にとっては、観るのになかなか勇気がいる映画。

 ニキビだらけの樹里ちゃんを見ると、いじめられていた自分の姿がフラッシュバックしてくる。周りの女子より遥かにダサくて、男子からも気持ち悪いと蔑まされていたあの頃。

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 樹里ちゃんのように、自分よりダサい格下の相手に意地悪をすることでプライドを守って、自分の存在価値を見出そうとしていた。でもその子が手元から離れるのは不安で、親友と称してべったりと付き合い続けていた。そんな過去の行いも、今までの自分を作り上げてきた一部だと思うと少しゾッとする。

  ああ、藤野涼子のような芯の強い大人びた中学生でいたかった。心を血だらけにされながらも身を削り他人のために闘う彼女だけれども、樹里ちゃん側に属していた私にとっては、いじめられるよりかは彼女は遥かにマシな立場いるように思えて、一種それが羨ましくも感じる。

 彼女がいるスクールカーストの安全圏に私は居たかった。

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