英語コンプレックスと私ー『マダム・イン・ニューヨーク』

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あらすじ:

 家族の中で唯一英語が喋れず、夫や娘から馬鹿にされてしまっているインド人の主婦シャシ。姪の結婚式でニューヨークへ行くことになり、現地で早速言葉の壁にぶち当たる。カフェで不親切な店員から馬鹿にされるなど散々な目に遭い、更に自信を失くしてしまう。そんな中「4週間で英語が喋れるようになる」という広告を偶然見つけ、早速その語学学校に通う彼女であったが...

 

⚠︎以下ネタバレあり

 

 英語コンプレックスは、英語を使わなければならない環境にいると、苦手な人にとってはすごく強いものになってしまいますよね。流暢な周りの人たちと上手く喋れない自分を比べ、劣等感を抱いてしまうものです。そんな自分がとても恥ずかしく思えます。

 私自身、英語がほとんど喋れない状態で、会社で外国人や帰国子女ばかりの国際部門に所属されてしまった苦い経験があります。いまは自分を変えるため語学留学を目指している最中です。英語コンプレックスのある彼女の気持ちが痛いほど分かります。

 

  シャシはニューヨークに着いた当初、ほとんどコミュニケーションが取れず、1人世界から取り残されてしまったかのような不安を覚えました。しかし語学学校で、拙いながらも楽しんで英語を喋るクラスメイトたちを見て、自分も頑張ろうと少しずつ元気を出していきます。

 苦手なことは恥ずかしくない、語学は楽しんで身につけるものなのだということが、彼らの姿から伝わってきました。

 

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 また家族との関係も、自分への自信を失くしてしまう大きな要因でした。

 娘は反抗期の攻撃に加え、彼女の英語のことを誰よりも馬鹿にしてきます。そんな娘に対して「いくら純粋で子供だからといって、私のことをけなさないでほしい。」と思ってしまいます。

 またシャシは料理が得意で、手作りの伝統お菓子ラドゥを近所で販売しています。夫はそんな彼女に対して、「お前は家で俺だけの為に、ラドゥを作っていれば良い」「ラドゥ作りだけがお前の生まれ持った才能だ」などと悪気なく言い放ちます。

 シャシは姪の結婚式のスピーチで、「夫婦間で互いに劣等感を持つことがあるかもしれない」「でも欠点を笑わず、自分を包み込んでくれるのが”家族”なんじゃないか」と心からの願いを言葉にします。

  シャシは周りから植えつけられてしまった劣等感と、彼女なりに頑張って向き合っていました。

 輝きを取り戻す彼女の姿を見て、前向きな気持ちにさせられました。

 

 苦手なことはさほど重要ではない。何かを学んでいくことは辛いことばかりではなく、それ以上に楽しいことで、自分に少しずつ輝きを与えてくれるものなのだと思いました。

 

I will not leave New York without leaning English!

 

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おわり